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書評の千本ノックブログ

突如として蔵書を全公開しはじめたブログ

2008年読書履歴総括 

2008年1月1日〰12月31日の読書履歴をざっと総括してみようと思う。
(12月31日中に仕上げる予定が、もう1月1日じゃないか)

今年もわりとたくさん本を読んだ。でも年の後半はほとんど手を出してなかったなあ。いそがしかったのと、残った本が筋にあわなかったのと。ではさっそく。

・ビジネス書関連
 *21世紀の国富論/原丈人/平凡社/2007
 *グラミンフォンという奇跡/ニコラス・P・サリバン/英治出版/2007
 *芸術の売り方/ジョアン・シェフ・バーンスタイン/英知出版/2007

 ビジネス書とは言いながら趣味丸出しでした。
・国富論…私の読了後にTVで取り上げられ、ハゲタカファンドのやり方ではイノベーションは生まれないという筆者の主張が、ちょうどアメリカ発でバブルがはじけたこともあって、溜飲を下げる目的で広まったように思うが、じゃあ今日本でテクノロジー関連のベンチャー投資がどないなってんねん?という話が大事。
・グラミンフォン…通信と途上国ビジネスということで読んでみた。グラミンバンクを先に知るべきだった。理解が不十分な部分がまだまだある。
・芸術の売り方…パフォーミングアーツ関連では具体的な指南書と見てよい。幾分「公共事業とマーケティング」的な観点があり、純粋なエンタテイメント業界人向け指南書ではない。「公共事業とマーケティング」関連では、別著があるよう。

・社会科学関連
 *日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」/有馬哲夫/新潮社/2006
 *教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書/ばるぼら/翔泳社/2005
 *バブル文化論―“ポスト戦後”としての一九八〇年代/原宏之/慶応義塾大学出版/2006
 *族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後/難波功士/青弓社/2007

 こちらも趣味丸出しだ。
・日本テレビとCIA…日本のテレビ成立過程は深くたどれば面白そうだし、WW2直後のCIA研究も同様
・その他3点…1980年代頃からのサブカルチャをぐっと身近に引き寄せるために。同時代史であるため、著者の立ち位置で内容も変わると考えられ、どこまで信用して読めばいいのか迷った。かといって純粋なデータの提示を求めるくらいなら、自分で資料収集に走ったほうが良いのでは、と考えられる部分もあるし、難しいところ。要再読。


・文庫本
 *フェルマーの最終定理/サイモン・シン/新潮/2006
 *暗号解読(上)(下)/サイモン・シン/新潮/2007
 *サブカルチャー文学論/大塚英志/朝日/2004−2007

 これも趣味丸出しだな。
・サイモン・シンは掛け値なしに面白いから、誰もが読むべき。学生時代に読んどいてもよかったな。
・大塚英志は過去の著作はほぼ読み尽くしたかな。

・新書
 *日本人はなぜシュートを打たないのか?/湯浅健二/アスキー新書/2007
 *パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本/海部美知/アスキー新書/2008
 *世界のしくみが見える「メディア論」―有馬哲夫教授の早大講義録/有馬哲夫/宝島社新書/2007
 *オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫/新潮新書 /2008
 *理性の限界/高橋昌一郎/講談社現代新書/2008

 新書は熟慮せずにさくさく買うほうなんだが、結局は興味の対象が限られている。
・なぜシュートを…QBK(急にボールが来たので)関連。内容は理論よりエッセイ。日本人、あうんの呼吸はウマいはずなのに、なぜサッカーはだめなのか?
・パラダイス鎖国…この言葉、今年はやったけど、その恐ろしさは言葉ほどには認知されていないような(直近では日本の携帯電話最強説まで見たことがあるぞよ)
・理性の限界…マジ名著。てか俺が不完全性定理好きなだけだな

漫画
*銭(1)ー/鈴木みそ/エンターブレイン
*幻魔大戦(1)ー(2)/平井和正・石ノ森章太郎/秋田書店
*石の花(1)ー(5)/坂口尚/講談社
*真説ザ・ワールド・イズ・マイン(1)ー(5)/新井英樹/エンターブレイン
*おもいでエマノン/梶尾真治・鶴田謙二/徳間書店
*血だるま剣法・おのれらに告ぐ/平井弘史/青林工藝舎
*サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版(上下巻)/相原コージ・竹熊健太郎/小学


 今年は漫画はあたりだった。
・銭…鈴木みそ、よく調べてるな。ファミ通に細かい漫画載せているだけの人ではなかった。
・幻魔大戦…内容のほとんどを仲間内の抗争に費やす。さすが世代が…。小説版はさらに輪をかけるらしい。
・石ノ花…知らんかった事がはずかしかったレベル。多分今年のベストはこれか…
・ワールドイズマイン…でなければこれ。半端なくやばい。某アルファブロガーより先に読んだよ!(だからどうと…)
・エマノン…最萌え。
 あとは、定期購読の「シグルイ」も忘れずに。

・小説
*ホテル・ニューハンプシャー(上)(下)/ジョン・アーヴィング/新潮
*ガープの世界(上)(下)/ジョン・アーヴィング/新潮
*幼年期の終り/アーサー・C・クラーク/早川
*極大射程(上)(下)/スティーブン・ハンター/慎重
*虎よ!虎よ!/アルフレッド・ベスター/ハヤカワ
*アフターダーク/村上春樹/講談社
*エンダーのゲーム/オースン・スコット・カード/ハヤカワ
*ニューロマンサー/ウィリアム・ギブスン/ハヤカワ
*サマー/タイム/トラベラー/新城カズマ/ハヤカワ

 有名どころを抑えた感じ。故に、はずれ無し。
 アーヴィング→松尾スズキ、エンダー/幼年期→エヴァ、虎よ→石ノ森経由〰すべてのSF漫画/アニメ、ニューロマンサー→攻殻、といったような元ネタ関係が踏めたことで、自分の中ですっきりした。すげえ、と思ったあの作品にもパクリはあり、その咀嚼と再提示の仕方との巧拙であること。それで良いのだ、と思えた点は救いか。

(番外編)

 番外編は、買ったけど読めなかった本です。が一つ問題が…

*スマリヤンの無限の論理パズル/レイモンド・スマリヤン/白揚舎/2007
*ハイスクールU.S.A 〜アメリカ学園映画のすべて〜/長谷川町蔵・山崎まどか/国書刊行会/2006

 スマリヤン…これは中学のときに出会って以来の再会なので、白揚舎さんジュンク堂さんありがとう。改訂版が出版されて店頭平積みされなければ、二度と出会えなかったよ。数学パズル本なんで一気読みするもんでなしに、楽しみにぼちぼち読みます
 ハイスクール…問題はこいつだ。内容は非常に濃ゆくて「アメリカの青春映画」というのが一大ジャンルであることを提示してくれているんだが、時系列順に全タイトル紹介してくと膨大すぎるのと、TIPSまでついてお腹いっぱいです。最初は、まったく知らない人に、とある一大ジャンルを紹介する語り口ってどんなものがありうるだろう、という回答方法も参考にするために買ったけど、正直きつい…読書履歴つけだしてから、はじめて挫折する本になりそうです。

 あと、一年以上繰越だけど"The World is Flat"(邦題「フラット化する世界」)も途中なんだ。これは早く読まないと陳腐化する…


[ 2009/01/01 00:47 ] 購入履歴 | TB(0) | CM(0)

喰霊ー零ー 見た感想 

 ネット巡回していると今期一番という声があるでね(全部見て評価してるウォッチャーの人は偉い。わしゃ全部見て今期一番がどうとか、やる気にならんで。尊敬します)
 
 …

 …
 
 あー、こういう話は好きだー。ちとベルセルクを思い起こす。神楽と黄泉の関係性がガッツとグリフィスに被る部分があるな。

 幼いときに孤独な主人公を拾ってくれ、以来、苦楽を共にした保護者であり最大の親友であり最強の戦友である人物が、人生の転落をきっかけに悪に魂を売って最大の敵として降臨するという骨子。(そういえばダースベーダーもそのパターンだな)

 逆のパターンで、敵との共闘、というのは少年漫画にありがちで、もっと強い敵が現れたから、とかいう承服しかねる理由の場合が多いが、それと違ってこちらは「人生の転落から悪に魂を売る理由」を是が非でも描かねばならず、個人的にはずっと説得力を感じる。

 ベルセルクの場合も喰霊ー零ーの場合も、そこの理由に共通のものがあるように思う。そういう心の機微はグッド。

1. 自分を差し置いてどんどん成長していく主人公に対する引け目と嫉妬
…当初は主人公に対して、保護者代わり的な立場で居たにもかかわらず、次第に主人公に能力的に追い越されそうになる。
 ベルセルクでは、グリフィスは自分のもとを去ろうとするガッツを引き止めるため決闘を挑んで敗北し、愕然とする。
 喰霊でも、神楽の成長に黄泉が「あの子はどんどん成長している…」といった趣旨の事を漏らしている。

2. 五体を刻まれ、再起不能になる
 グリフィス、黄泉共に、腱の切断と咽喉部の破壊という、同じダメージを受けている点が面白い。これでは、自分の意思を他人に伝える事も、他人に自分の意志を行動で示す事も難しく、周囲との間に誤解の壁ができあがる。そもそも強かった人間が他人の世話にならないと生活もできないという事に耐えがたい苦痛を覚えるだろう(そういう意味では、周りはもっと気を使うべきだよな)

3. 1.2.の結果として、主人公に対する隠れた依存心が露になり、疎外感が増大する
 主人公が自分を必要としている、という保護者的な立ち位置を自覚していたら、逆に自分の方が主人公に依存しきっていた事が判明し、精神的に大きく揺さぶられる。
 グリフィスはガッツとの決闘に敗れて自暴自棄になった。その後五体を刻まれる罰を受けるような罪を犯してガッツらに救出されてから以降、もはや身の回りの事を一人でできる状態ではなかったが、偶然脱走して助けに追ってくるガッツらに対しての「追ってくるな、お前と対等で居られなくなるから」という慟哭から「蝕」を引き起こす。(そんな話だっけ?記憶が曖昧だ、またコミックを通しで読まないとな。初見のときはここらへんの理由付けに衝撃を覚えたもんだ)
 黄泉は神楽の期待していた通りの行動を取れなかった事で(咽喉の怪我でそれを上手い形で伝えられないという事が輪をかけているだろうが)不信を買い、絶望感に苛まれる。
 悪に魂を売って以降は、主人公への依存心を振り切る心理変化があるのも、至極まっとうなところである。(と、ここまで書いて、2話で悪霊化した黄泉が神楽を「大っ嫌い」な理由、見てて無いなーと思っていたが、やっぱりあるわけだな。自分の中で大きな存在になりすぎて、居なくなれば苦しまないでも済むのに、というのは身勝手だが、悪の道に落ちたからには理由になるわな。「甘さがあるのに自分より優れているので許せない」というように語るのは自分との比較で劣等感を覚える事自体へのいら立ちということか)

これは漫画は買うべきかどうか??
[ 2008/12/22 00:22 ] 漫画(マンガ) | TB(0) | CM(0)

所有書籍リスト(エンタテイメント) 

2008/07/26更新

*…2008年に読む本



*マンガ
「通常版」
なるたる(1)ー(12)/鬼頭莫宏/講談社
ひぐらしのなく頃に・鬼隠し編(1)ー(2)/鬼頭えん/角川書店
シグルイ(1)ー/山口貴由/秋田書店
*銭(1)ー/鈴木みそ/エンターブレイン
*幻魔大戦(1)ー(2)/平井和正・石ノ森章太郎/秋田書店

「文庫版」
ポーの一族(1)ー(3)/萩尾望都/小学館
トーマの心臓/萩尾望都/小学館
11人いる!/萩尾望都/小学館
さくらの唄(上)(下)/安達哲/講談社
ゾンビ屋れい子(1)ー(7)/三家本礼/ぶんか社
*石の花(1)ー(5)/坂口尚/講談社

「特装版」
監督不行届/安野モヨコ/祥伝社
となりの801ちゃん(1)ー(2)/小島アジコ/宙出版
気まぐれコンセプトクロニクル/ホイチョイプロダクションズ/2007
*真説ザ・ワールド・イズ・マイン(1)ー(5)/新井英樹/エンターブレイン
*おもいでエマノン/梶尾真治・鶴田謙二/徳間書店
*血だるま剣法・おのれらに告ぐ/平井弘史/青林工藝舎
*サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版(上下巻)/相原コージ・竹熊健太郎/小学館



*小説
「文庫」
明暗/夏目漱石/岩波
ノルウェイの森(上)(下)/村上春樹/講談社
テロリストのパラソル/藤原伊織/講談社
火曜クラブ/アガサ・クリスティ/早川
嗤う伊右衛門/京極夏彦/角川
男どき女どき/向田邦子/新潮
思い出トランプ/向田邦子/新潮
不道徳教育講座/三島由紀夫/角川
近代能楽集/三島由紀夫/新潮
熱帯樹/三島由紀夫/新潮
こころ 夏目漱石/新潮
家族狩り(1)ー(5) 天童荒太/新潮
24人のビリーミリガン(上)(下)/ダニエル・キイス/早川
姑獲鳥の夏/京極夏彦/講談社
すべてがFになる/森博嗣/講談社
白夜行/東野圭吾/集英社/
ハムレット/シェイクスピア/新潮/
マクベス/シェイクスピア/新潮
悪童日記/アゴタ・クリストフ/早川
ターン/北村薫/新潮
永遠の仔(1)ー(5)/天童荒太/幻冬舎
亡国のイージス(上)(下)/福井晴敏/講談社
コズミック(上)(下)/清涼院流水
ネガティブ・ハッピー/チェーンソーエッジ/滝本竜彦/角川/
NHKへようこそ!/滝本竜彦/角川
Xの悲劇/エラリー・クイーン/早川
Yの悲劇/エラリー・クイーン/早川
十角館の殺人/綾辻行人/講談社
絡新婦の理/京極夏彦/講談社
城/カフカ/新潮
時間割/ピュートル/中公
理由/宮部みゆき/新潮
龍は眠る/宮部みゆき/新潮
レベル7/宮部みゆき/新潮
1984年/ジョージ・オーウェル/早川
リアル鬼ごっこ/山田悠介/幻冬舎
塩狩峠/三浦綾子/新潮
ドグラ・マグラ(上)(下)/夢野久作/角川
わたしたちが孤児だったころ/カズオ・イシグロ/早川
日の名残り/カズオ・イシグロ/早川
IT(1)ー(4)/スティーブン・キング/文芸春秋
死のロングウォーク/スティーブン・キング/扶桑社
ミミズクと夜の王/紅玉いづき/MW
時間割/ピョートル/中公
魔術はささやく/宮部みゆき/新潮
火車/ 宮部みゆき/新潮
*ホテル・ニューハンプシャー(上)(下)/ジョン・アーヴィング/新潮
*ガープの世界(上)(下)/ジョン・アーヴィング/新潮
*幼年期の終り/アーサー・C・クラーク/早川
*極大射程(上)(下)/スティーブン・ハンター/慎重
*虎よ!虎よ!/アルフレッド・ベスター/ハヤカワ
*アフターダーク/村上春樹/講談社
*エンダーのゲーム/オースン・スコット・カード/ハヤカワ
*ニューロマンサー/ウィリアム・ギブスン/ハヤカワ
*サマー/タイム/トラベラー/新城カズマ/ハヤカワ

「他」
クビキリサイクル/西尾維新
ウルトラ・ダラー/手嶋龍一/新潮社/2006
わたしを離さないで/カズオ・イシグロ/早川書房/2006
プリンストン高等研究所物語/ジョン・L・カスティ/青土社/2004
小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所/日本推理作家協会監修/集英社/2007
DDD(1)ー(2)/奈須きのこ/講談社



*戯曲
ドライブインカリフォルニア/松尾スズキ/白水社/2004
マシーン日記/悪霊/松尾スズキ 白水社/2001
エロスの果て/松尾スズキ/白水社/2002/
母を逃がす/松尾スズキ/白水社/2001/



*雑誌・ムック
日経キャラクターズ2005/07No.08
ワンダージャパン2007秋vo.l.5
一橋ビジネスレビュー2005冬53巻3号
ユリイカ増刊号/総特集松尾スズキ
うたわれるものらじお メモリアルブック



*DVD
キレイ・神様と待ち合わせした女
フォッシー
歌舞伎名作選・野田版研辰の討たれ
*「空飛ぶモンティ・パイソン」“日本語吹替復活”DVD BOX



*写真集
Deep Inside/西澤丞/求龍堂/2006

[ 2008/12/13 14:16 ] 所有書籍リスト | TB(0) | CM(0)

借りて読んだ本など 

*読んだ順に。

「ポストモダン・マーケティング?「顧客志向」は捨ててしまえ! 」スティーブン ブラウン(←持っていたはずなのに、みあたらなーい!しくしく)

「土か煙か食い物」舞城王太郎
「外科室」泉鏡花
「封神演技」安能務 訳

「コンテンツビジネスin中国」青崎智行/デジタルコンテンツ協会
「アニメビジネスがわかる」増田 弘道

「デジ絵の文法」(DVD)

「アンラッキーヤングメン」藤原カムイ×大塚英志

「千年、働いてきました?老舗企業大国ニッポン」野村進/角川oneテーマ21/2006

「ライアーゲーム」(1)ー甲斐谷忍
「BLOODY MONDAY」(1)ー

「変身」フランツ・カフカ
「破船」吉村昭
「カタロニア讃歌」ジョージ・オーウェル

「百鬼夜行抄」(1)ー今市子
「月の子」(1)ー(13)清水玲子

[ 2008/11/23 17:21 ] 所有書籍リスト | TB(0) | CM(0)

ドラクエ7 クリアしたよ 

総プレイ時間約80時間。長かった

最終ボス前のレベル/熟練度上げにかなりの時間を要した…。

8年前のゲームだが、実際、このレベルの作品で十分満足だわ。

足りないのは、やりつづける自分の中の動機。ドラクエだからという事で、大目にみている自分が居るのだと思う。

システム面で「?」と思った所(特に職業システム関連)は、次回作の8で修正されたのだと考えれば良かろう。(8はフル3D空間がドラクエしてて、楽しかったなー)

また書評のサイトに戻らなくては。
[ 2008/10/05 02:20 ] 戯言(ひとりごと) | TB(0) | CM(0)

時流の波に乗らずに、ドラクエ7を今更初プレイする意義は… 

ない(笑)

久しぶりのエントリがこれかよ、ってな自分突っ込みがてら、ここ数週間、ドラクエ7を初プレイして感じた「違和感」に関するメモ。それは世の人が8年前に通った道と云う…

すべての違和感は、ゲームバランス、の一言で済ませられるかもしれないが、なぜそのようなゲームバランスになっているのか、という所までは少し潜って考察してみたいと思ふ。

まず、目についた点をざっと挙げていくと、だいたい4点に集約できる。

1.レベルが上がらない
2.金が貯まらない
3.店のアイテムと宝箱アイテムのアンバランス
4.一部の職業スキルが強力すぎる

 まず1.のレベルが上がらない点について。今、多分中盤に差し掛かっている所と思うのだが(11個目の石板)、敵からの取得経験値が80〜120程度、必要経験値は7000程度と、1レベルアップするのに70回程度は戦闘しなければならない状況にある。前作までのドラクエでは、順調にいけば30〜50回の戦闘でレベルアップしていなかっただろうか?
 2.についても同様で、現状一度の戦闘で、50G程度しか手に入らない。もっともこれは、他のシリーズ作が稼ぎやすかった訳でもないが、今作の場合、いわゆる「稼ぎポイント」に行きづらいマップ構造になっているため、よけいその印象が強いのかもしれない。
 3.についてはどうだろう。まず言えるのは「民家から物盗りしている感覚」だろう。中盤にさしかかっても城・街の民家のタンスや壷から「ぬののふく」やら「3G」やらを取っていくのは、倫理的にどうなのかと思う。逆に洞窟の宝箱アイテム(特に防具)は強力で、その時点で店で買える最強アイテムのみならず、数個先の町で買えるアイテムの性能をも凌駕する場合がある。2.で述べた通り、店アイテムを買えるようになるまでGが溜まるのに非常に時間がかかるため、必然的に宝箱アイテムに頼る事になる。逆に、こつこつ貯めれば良いアイテムが買えるが、同等の性能品が近いうちに宝箱から手に入るかと思うと、購入を躊躇する、という側面もある。
 ドラクエといえば、新しい町に付く度に協力なアイテムが売られており、たいていは金銭不足で購入できない。そこを、モンスター狩りをして、なけなしのGをはたいて、一振りの件だけでも購入する事によって、攻略の難易度が変わる、といった側面が印象的なため、今回の店アイテムはあまりに不遇でないか?(現段階で、対魔法防具「まほうのほうい」を2着購入しているが、無駄にならないと良いのだが…)
 4.については、今回プレイ中、魔法使いのレベル5習得単体攻撃魔法「メラミ」が対ボス戦で強力すぎて、頼り切っている(魔法使いに転職したのがマリベルで、HP不足で良く死ぬ事を差し引いても…)なぜ、通常攻撃が20前後の段階で、その4倍もの威力の魔法を入手できてしまうのか?同様に魔法使いのレベル6習得全体攻撃魔法「イオラ」も、現段階の敵をほぼ一掃できるほど…。もう一段階弱い魔法(例えば、ダメージ40程度のメラ系イオ系魔法)を用意しておくべきでは…と思うほどである。

 おそらくこの最後の点が、違和感の謎を解く最大の鍵なのだと思う。これらの強力な魔法を取得するには、100回程度の戦闘を重ねる必要があるが、本ゲームのすべての要素は、この「100回程度の戦闘を重ねる事に対する報酬としての、強力な魔法/特技の入手」のために犠牲になっているのだろう。100回戦闘を重ねて、報酬としてレベルがどんどん上がるようであれば(旧作であれば、3ー4回はレベルアップできそうな瀬藤回数だが、今作では先で述べた通りの理由で1回が限度だろう)、特技習得のメリットとレベルアップのメリットのどちらが寄与しているのか見えづらいし、金がどんどん溜まるようであれば、それで良いアイテムを購入できてしまい、やはり同様に特技取得のメリットが掠れる。
 店のアイテムと宝箱アイテムのアンバランスについても、ノーリスクで入手できる町の中のタンスや壷のアイテムは価値が低い一方、ダンジョン内の宝箱は、特技習得の前準備を怠ったプレイヤーへの救済策として、強めに設定されているのであろう。
 
 つまり、ドラクエ7は、転職システムを駆使して特技を習得していき、ほぼそれのみを駆使してダンジョン探索・ボス撃破することを前提にしたゲームとして意図されているのであり、これが旧来のシリーズからゲームのバランスを大転換させた理由なのだろう。

…という妄想をしてみた。

[ 2008/09/01 00:19 ] 戯言(ひとりごと) | TB(0) | CM(0)

所有書籍リスト(社会系統) 

2008/09/28更新
今年は何冊読めるかな…??(2008年読む本は*をとりあえず付記)
灰色は実家にフェードアウトした本だよ。



*法律関連

英米法総論(上)(下)/田中英夫/東大出版会/1980
エンタテインメントの罠/福井健策/すばる舎/2003
キャラクター戦略と商品化権/牛木理一/発明協会/2000
アーリーステージ知財の価値評価と価格設定/R・ラズガイティス/中央経済社/2004
デジタルコンテンツ法(上)(下)/大阪弁護士会/商事法務/2004
日米著作権ビジネスハンドブック/八代英輝/商事法務/2004
知的財産の証券化/広瀬義州/桜井久勝/日本経済新聞社/2003
知的財産の分析手法/土生哲也/中央経済社/2003
コンテンツビジネスマネジメント/トーマツ/日本経済新聞社/2003
通信コンテンツマネジメント/トーマツ/日本経済新聞社/2004
エンタテイメント契約法/内藤篤/商事法務/2004
リーガルリサーチ第2版/いしかわまりこ(他)/日本評論社/2003−2005
アメリカ著作権法入門/白鳥綱重/信山社/2004
キャラクター・商品化権実務ガイド/トッパンキャラクター/東京書籍/2004
国際取引と契約実務/牧野和夫他/中央経済社/2003
研究・製造・販売部門の法務リスク/松下電工株式会社法務部/中央経済社/2005



*ビジネス書

比較日本の会社・通信サービス/中村芳平/実務教育出版/2001
90分でわかる「物流」の仕組み/湯浅和夫/かんき出版 1997
プレゼンテーション力は話す力で決まる/福田健/ダイヤモンド社/2002
ライフサイクルイノベーション/ジェフリー・ムーア/翔泳社/2006
第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい/マルコム・グラッドウェル/光文社/2006
「みんなの意見」は案外正しい/ジェームズ・スロウィッキー/角川書店/2006
財務会計・入門第3版/桜井久勝/有斐閣/1998−2003
会社はこれからどうなるのか/岩井克人/平凡社/2003
踊るコンテンツビジネスの未来/畠山けんじ/小学館/2005
日経で学ぶ経営学の考え方/奥村昭博・池尾恭一/日本経済新聞社/2003
ITエンジニアのための「業務知識」がわかる本/三好康之/翔泳社/2003
発想する会社!/トム・ケリー(他)/早川書房/2002
明日は誰のものか/クレイトン・M・クリステンセン/ランダムハウス講談社/2005
メディチインパクト/フランス・ヨハンソン/ランダムハウス講談社/2005
ブランド王国スイスの秘密/磯山友幸/日経BP社/2006
ウェブ2.0ブック/小川浩/後藤康成/インプレス/2006
ブログ・オン・ビジネス/シックス・アパート/日経BP/2006
ヒット学/吉田就彦/ダイヤモンド社/2005
マーケティング・サイエンス入門/古川一郎(他)/有斐閣/2003
人の心を動かす文章術/樋口裕一/草思社/2004
ケータイ小説家になる魔法の方法/伊東おんせん/ゴマブックス/2007
ファン・マーケティング/上田真弓/毎日コミュニケーションズ/2007
適正在庫のテクニック/勝呂隆男/日刊工業/2006
イラスト・図解 確率・統計のしくみがわかる本/長谷川勝也/技術評論社/2000
*21世紀の国富論/原丈人/平凡社/2007
*グラミンフォンという奇跡/ニコラス・P・サリバン/英治出版/2007
*芸術の売り方/ジョアン・シェフ・バーンスタイン/英知出版/2007



*社会科学

現代演劇のフィールドワーク/佐藤郁哉/東京大学出版会/1999
洗脳原論/苫米地英人/春秋社/2000
洗脳護身術/苫米地英人/三才ブックス/2003
人生を変える!脳と心の洗い方/苫米地英人/フォレスト出版/2006
反社会学の不埒な研究報告/パオロ・マッツァリーノ/二見書房/
神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡/ジュリアン・ジェインズ/紀伊国屋書店/2005
*日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」/有馬哲夫/新潮社/2006
*教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書/ばるぼら/翔泳社/2005
*バブル文化論―“ポスト戦後”としての一九八〇年代/原宏之/慶応義塾大学出版/2006
*族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後/難波功士/青弓社/2007



*ノンフィクション・ルポ・実録

コンドルズ血風録/勝山康晴/ラピュータ社/2003
大人計画社長日記/長坂まき子/太田出版/2004
オタクバカ一代/村濱章司/角川書店/2006
ジブリマジック/梶山寿子/講談社/2004
ガイナックスインタビューズ/堀田純司/講談社/2005
演技でいいから友達でいて/松尾スズキ/岩波書店/2001
---------------------------------------------------------------------
野中広務差別と暴力/魚住昭/講談社/2004
国家の罠 佐藤優/新潮社/2005
カラシニコフ/松本仁一/朝日新聞社/2004
ライブドアとの闘いの日々/Nikaidou.com/文苑堂/2006
ヒルズ黙示録/大鹿靖明/朝日新聞社/2006
世界の<水>が支配される/国際調査ジャーナリスト協会/2004
僕には数字が風景に見える/ダニエル・タメット/講談社/2007
The World is Flat/Thomas L. Friedman(洋書)



*文庫

機会不平等/斎藤貴男/文春
企業参謀/大前研一/講談社
ドキュメント戦争広告代理店/高木徹/講談社
定本・物語消費論/大塚英志/角川/1989−2001
現代中国の産業/丸川知雄/中公/2007
戦闘美少女の精神分析/斉藤環/筑摩/2006
*フェルマーの最終定理/サイモン・シン/新潮/2006
*暗号解読(上)(下)/サイモン・シン/新潮/2007
*サブカルチャー文学論/大塚英志/朝日/2004−2007



*新書

ハリウッド・ビジネス/ミドリ・モール/2001
心を商品化する社会/小沢牧子・中島浩カズ/洋泉社新書
頭がいい人の「自分を高く売る」技術/樋口裕一/角川/2005
ハリウッドはなぜ強いか/赤木昭夫/ちくま/2003
ウェブ進化論/梅田望男/ちくま/2006
「かわいい」論/四方田犬彦/ちくま/2006
経済学的思考のセンス/大竹文雄/中公/2005
戦略的思考の技術/桃井厚志/中公/2002
動物化する世界の中で/東浩紀/笠井潔/集英社/2003
乱世を生きる・市場原理は嘘かもしれない/橋本治/集英社/2005/
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?/山口真哉/光文社/2005
模倣される日本/浜野保樹/祥伝社/2005
「おたく」の精神史/大塚英志/講談社現代新書/2004
動物化するポストモダン/東浩紀/講談社現代新書/2001
ゲーム的リアリズムの誕生・動物化するポストモダン2/東浩紀/講談社現代新書/2007
ゲーデルの哲学・不完全性定理と神の存在論/高橋晶一郎/講談社現代新書/1999
物語消滅論/大塚英志/角川/2004
「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか/大塚英志・大澤信亮/角川/2005
とてつもない日本/麻生太郎/新潮/2007
モバゲータウンがすごい理由/石野純也/マイコミ新書/2007
ディズニーランドという聖地/能登路雅子/岩波/1990
「フラガール」を支えた映画ファンドのスゴい仕組み/岩崎明彦/角川SSC/2007
若者殺しの時代/堀井憲一郎/講談社現代新書/2006
カーニヴァル化する社会/鈴木謙介/講談社現代新書/2005
わたしたち消費 カーニヴァル化する社会の巨大ビジネス/鈴木謙介/幻冬舎新書/2007
*日本人はなぜシュートを打たないのか?/湯浅健二/アスキー新書/2007
*パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本/海部美知/アスキー新書/2008
*世界のしくみが見える「メディア論」―有馬哲夫教授の早大講義録/有馬哲夫/宝島社新書/2007
*オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫/新潮新書 /2008
*理性の限界/高橋昌一郎/講談社現代新書/2008



*その他

教養としてのロースクール小論文/浅羽道明/早稲田経営出版/2005
別冊宝島144シナリオ入門(「シド・フィールドのシナリオ講座」邦訳所収)
ウケる技術/小林昌平(他)/インデックス/2003
時をかける少女絵コンテ/細田守/飛鳥新社/2006
戦争はいかに「マンガ」を変えるか/小田切博/NTT出版/2007
HSP2.55 Windows95/98/2000/Me/XPスクリプトプログラミング逆引きテクニック/おにたま他/秀和システム/2001
Flash 8マスターブック Professional & Basic対応 for Windows & Macintosh/杉原正人・福田友美/毎日コミュニケーションズ/2005
ActionScript 3.0 ゲームプログラミングブック/布留川英一/毎日コミュニケーションズ/2006
*スマリヤンの無限の論理パズル/レイモンド・スマリヤン/白揚舎/2007
*ハイスクールU.S.A 〜アメリカ学園映画のすべて〜/長谷川町蔵・山崎まどか/国書刊行会/2006

[ 2008/08/24 09:49 ] 所有書籍リスト | TB(1) | CM(0)

【はぁ、俺も一人小旅行中に不思議美少女とちゅっちゅしたいよぉ〜】「さよならエマノン」鶴田 謙二、梶尾 真治【書評/感想】 

なんせ、

「自分の目の前に信じられないほどの美少女が現れて、一緒に馬鹿話しながら船旅ができたらいいなあ」

という妄想の産物として書いた、と作者が放言するくらいですからね、まったくもう、大賛成ですよ、そういうの。だって、男の子って言うのはね…

1.突然目の前に美少女が現れるのは、男の子のロマンです。(美少女であれば、属性の委細は問いません)

2.願わくば、馬鹿話ができる程度には知的であってほしいものです。(良かったら、男の子の趣味全開トークにもついて来てください)

3.ひとしきり楽しい時間を過ごしたあとには、さよならも告げずに目の前から居なくなってほしいです。(ただし、一言くらいは簡単なメッセージを残して!一生肌身離さず持ってきます。)

4.何年かして、僕がくたびれた大人になった時に、もう一度だけ目の前に現れてください。(その時は、結婚とか出産とか生活臭溢れる話題はやめて。それ以外でー僕を驚かせるとびっきりの仕掛けを用意しておいて!)

 バカヤロー!!(バッシーン!!)

どんだけ都合いいんだと、怒りに震える拳が飛んでくるのが見えそうです。女性陣に読んでいただいて感想を聞きたい所でもある。(なお、この話は「『僕』が失恋の痛手から傷心旅行に出かけ、傷も癒えかけて、金もつきかけたので帰る途中の航路での話」という所は言っておこう。断じて傷心旅行中の話ではないのだ)

細かい意匠(安保だのオイルショックだの)を現代のものにすげ替えれば通用しそうなストーリーラインで、40年は前の小説を最近漫画にしたものだけど、そんくらいの年月では日本の男の子(ただし、ナード系青少年限定)の物の考え方を変えられないという事か。

しかし最近はこの本のように、SF的なヒントを、構想の根幹に使った作品には出会わないなあ。需要がないということで出ていないのだろうか。(例えば大ヒットしているっていう「凉宮ハルヒ」ってので、ストーリーの核を成しているのはSF的な動機付けなんだが、使われ方がメタで分かりにくいし、話題になっているのは別の理由のようだし、やはり注目度は低い)

なお、作品の舞台となっている、旅船「さんふらわあ号」 名古屋ー鹿児島ルートは今は無いみたいです。
おぉ、一人小旅行中に不思議美少女とちゅっちゅする俺の夢が…夢がぁ…。
[ 2008/06/25 22:57 ] 漫画(マンガ) | TB(0) | CM(0)

【電通はそれでいいのか】「わたしたち消費」鈴木謙介【書評/感想】 

 あまり覚えの良くなかった「カーニヴァル化する社会」(鈴木謙介)に比べ、こちらは、「後半の電通担当分の5章(全体約1/4)の文章があまりに駄目だったため、鈴木担当分の前半1〜4章(約3/4)が目立つ」という事態に俺の脳内では相成った。
 鈴木の良さは、1章を中心にマーケティングの種々の議論(マスメディアの限定効果説、イノベーター理論、キャズム、ロングテール、ティッピングポイント…)を良好に追えている点、ネット上の「ハレ晴れオフ」「一位にしよう運動」「初音ミクとニコニコ動画」を「アップルのブランド戦略」と同程度には咀嚼できている所にあるし、「カーニヴァルに無理に関わるな」「『二周目以降』を大きくする」(4章)等、「お、分かっているな」と思わせる部分がある。
(ニコ動に触れるならアイマスMADに触れてほしいが、一般向け新書じゃ無理か。「分かってる」オタは↓で我慢
 アイマスMADを中心としたコミュニティの発展に関する研究

 で、電通の駄目さの話だ。ばっさり切るが、前半の鈴木の議論を全く生かしていない。その事は、電通担当分の章タイトル「わたしたち消費のさらなる拡大メカニズム」に端的に現れている。
 つまり電通の議論は「一部で話題になったものを、どのようにして大衆に広めるか」という事に終始して、「いや、だからその大衆が居なくなったんだって」という2章で鈴木が提示した前提を無視し、ライフスタイル誌での露出、TVCMによる文脈の置換、フリーペーパーへの出稿による身近さの演出、といった、単純な全方面作戦の話をしている。
 単純な全方面作戦の話の原因は電通のスタンスが「一部で話題になるようなコンテンツは腐るほどあるんだから、一般受けするためにプロモーションかけてみて失敗してもお前らのせいだし。ただし代理店として手数料はたんまり頂きますからね」で済むからだ。
 だからこそ鈴木は3章で共同体(ムラ)の理論をわざわざ持ち出してわたしたち消費の「質」の違いを説明したのだ(それも電通側は無視しているが)。根本的な問題として、「わたしたち消費」は、日本人のすべてが巻き込まれることを前提とした消費スタイルではないのだ、という事を認識すべきである。

 ここで一言。鈴木は序章で少しだけ「脳トレ」に触れ、話題をポケモン、マリオ、動物の森、ラブ&ベリーに移したが、彼は「書籍版」脳トレにこそスポットライトを当てて前半の議論を行うべきであった。あれこそは、「わたしたち消費」的な書籍版「脳トレ」ブレイク前夜があり、次にゲーム版「脳トレ」のブレイク前夜状況から、任天堂ー電通ラインによる正規のプロモーションを絡めた後に社会現象的なヒットを巻き起こした訳だから、鈴木と電通の議論はそれこそかみ合ったろうに。

(さらによけいな一言だが、「人の話に影響を受けやすく、自らも口コミ発信する」層の拡大傾向があるという電通の2007年の基礎資料は重要だ。電通の市場調査部が駄目な訳ではない。)

前回の書評↓

【消化不良だよ】「カーニヴァル化する社会」鈴木謙介【書評/感想】
[ 2008/06/22 03:08 ] 社会 | TB(0) | CM(0)

【消化不良だよ】「カーニヴァル化する社会」鈴木謙介【書評/感想】 

 これは書店の平積みで手に取った。著者名を存ぜずに。その後ネットで調べて、手に取った理由をなんとなく納得したのだった。

1.著者は東浩紀つながりで、波状言論に寄稿していた
2.宮台真司に師事
3.文化系トークラジオ〜Life、なる何だかサブカルチャー臭とアングラ臭の漂うラジオをやてるらしい(この番組も調べるまで知らなかった)

 まずは「カーニヴァル化する社会」から

はっきりいって、消化不良だが、この本で、一番おもしろいと思えたのはあとがきなのだ。総務省の「労働力調査」のデータをひきながら、自身のインターネット・ベンチャーでの就業体験、躁状態での「祭り」なプロジェクト遂行と、その後の鬱的なを振り返る内容で、この体験が一章の論考につながっていると思わせる。
 その他の章は正直、よくわからないのが感想。それはあとがきで、「この本には社会学の議論でありがちな『データの間違いを正すことによる啓蒙』も『政治的なデータからこぼれ落ちる市井の人々の実感』も、ほとんど含まれてはいない」事に、多分に依っていると思う。
 
こりゃあだめじゃないか?

 例えば、東大の社会学者がデビュー作だからと興味があったが、手に取らなかった社会学の新書として、阿部真大「搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! 」がある。なぜ嫌悪感があったかと言えば、以下の阿倍の「若い社会学者は合コンでフィールドワーク」云々といった事を平気で言ってしまう軽薄さが原因だ。
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?docId=1000098836

 鈴木謙介に関して、阿部真大よりも嫌悪感が無く書籍を手に取れたのは単純に、そういった軽薄さを事前に見なかったからだけかもしれないと思えてくる。鈴木も「若い社会学者」の範疇に入るだろうから或は、であるし、また、両者とも自身の就業体験が論考の基礎にあるらしい事も共通している。

 加えて、東にせよ、鈴木にせよ(おそらくは阿部もだろうか?)、論の補強のためにデータを示すっていう考え方が無いのは何故なんだろう。社会調査はフィールドワークと同じくらい論考の基礎になるものだと思うのだが、これを疎かにして脳内完結した議論に終始しているようにどうしても見える。(若手研究者には研究予算が付かないで、必然的に論考一歩んで勝負するしかないというのは別問題としても、他所からデータを引けないものなのか?個人ベースでも以下のようなもあるのだから)

社会実情データ図録
反社会学講座
亡国データバンク

最後のは違うか。


[ 2008/06/22 01:54 ] 社会 | TB(0) | CM(0)
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